
スタッフ主導のチェアーサイドマニュアルで、より良い医療を目指して
歯科医院では、日々さまざまな患者さんへの対応が求められます。診療内容の説明や声かけ一つとっても、その表現や伝え方はスタッフによって微妙に違ってしまうことがあります。しかし、医療の質を一定に保ち、患者さんに安心して通っていただくためには、スタッフ間で対応をできるだけ統一することがとても大切です。
とはいえ、忙しい診療中に「あれ、こういうときどうしてたっけ?」と誰かに聞きに行く時間はなかなか取れません。そこで当院では、チェアーサイドでさっと確認できる簡易マニュアルを、スタッフ主導で作成してもらいました。
これまでは院長が張り紙や資料を用意して情報を共有していましたが、現場で働くスタッフにとっては「実際の業務に即した内容と異なる」場合もあり、院長一人での情報管理には限界があると感じていました。また、マニュアルの内容を更新したくても、忙しい日常の中ではなかなか手が回らないという問題もありました。
そこで、実際にチェアーサイドで働くスタッフが「これがあると便利」「こう説明すると伝わりやすい」という視点で、自分たちでマニュアルを作成してもらいました。現場で使いやすく、アップデートしながら現実に即した内容にするためには、やはりスタッフ自身が作るのが一番です。
この取り組みは、スタッフの「もっと良くしたい」という気持ちを後押しする効果もあると考えています。院長の力だけで医院を成長させることはできません。スタッフ一人ひとりが主体的に関わり、アイデアを出し合うことで、チーム全体として成長していける環境が整っていくことに期待しています。
そして何より、良い医療を提供し続けるためには、常にアップデートする姿勢が欠かせません。マニュアルも、完成したら終わりではなく、日々の診療の中で気づいたことを少しずつ反映させ、成長させていくものであり、そのことをスタッフ自らが気がついて行動を起こしていって欲しいと思っています。
これからも当院では、スタッフが協力し合いながら、より良い歯科医療の提供を目指して取り組んでいきます。患者さんにも、私たちのこうした姿勢が安心感として伝われば嬉しく思います。