
歯科模型のデジタル化、ついに本格始動しました
医療機関では、診療記録やカルテ、レントゲン写真、歯型の模型といった記録物に一定期間の保管義務があります。僕がこの医院を引き継いでからも、院内倉庫に積み上げられた旧カルテや模型を目の当たりにし、「このままでは必要な資料にアクセスするのが難しい」と感じていました。そこでまずは、紙のカルテを少しずつスキャンしてデジタル化していく取り組みからスタートし、ようやくその作業にも目処が立ってきました。
そして次のステップとして、これまで手をつけられずにいた「歯科模型のデジタル化」に向けての準備を進めてきました。このたび新たに導入したのが、ラボスキャナーと呼ばれる高精度の歯科技工用スキャナーです。この機器を使えば、石膏模型を精密に3Dデータとして記録することができます。
現在、当院に保管されている歯科模型は推計でおよそ1000個。中には古く、整形されていない状態の模型も多くあります。そこでまずは、それらの模型をスキャンしやすいように形を整える作業から着手しています。実際のスキャン作業は、学生アルバイトの力も借りながら、1~2年かけて少しずつ進めていく予定です。彼らは、新しい機器操作もすぐに慣れますし楽しんでやってくれているように感じています。
この取り組みが進むことで、今後は保管していた石膏模型を廃棄することができ、院内の収納スペースが大幅に確保できると期待しています。また、必要な過去の模型を探す際にも、これまでは倉庫の奥まで模型を探しに行かなければなりませんでしたが、今後はパソコン上で簡単に検索・閲覧できるようになります。
歯科医療においても、記録のデジタル化は時代の流れです。院内の環境整備や業務効率の向上につながるこの取り組みを、これからも一歩ずつ着実に進めていきたいと思います。