
Dentistry / Art
歯科医療って、医療の一分野なので、どうしても「みんな同じ結果を出すこと」が求められます。 たとえば、どの歯医者さんが治療しても同じようにむし歯を治したり、同じように被せ物を作ったりすること。それが医療の基本的な考え方です。もちろん、保険診療では、治療に対する費用(診療報酬)も一律で決まっています。新人の歯科医師でも、ベテランの歯科医師でも、結果として求められるのは同じゴール。少し形の違いはあったとしても、大きな違いが出ないようにする仕組みになっています。
とはいえ、感性が求められる?
でも、自由診療の範囲になると、少し話が変わってきます。 ここでは、ドクターの経験や技術、さらには「感性」までが活きてきます。たとえば、見た目の美しさにこだわったセラミックの被せ物や、自然な歯並びを作る矯正治療などは、ドクターや技工士さんの腕の見せどころです。中には、ほかの誰にもまねできないくらい、きれいな仕上がりをつくる人もいます。 こういう場面では、歯科医療ってちょっと「美術」に似ているなと感じることがあります。
絵や彫刻に才能が必要なように、歯科でも、細かい形を作ったり、自然な美しさを表現したりするには、センスや技術が大きな役割を果たします。 同じ「歯を治す」という行為でも、そこに込められるこだわりや表現力で、仕上がりがぐっと変わることもあるんです。 ただあくまでも、歯としての「噛める」「話せる」という基本の機能がしっかりしていることが一番大切です。そのうえで、見た目も自然で美しいものを目指す。これが理想だと思っています。
医療と芸術
医療。美術。 一見まったく別の世界に見えますが、歯科の世界では、この2つをバランスよく取り入れることがとても大切だなと、日々感じています。これからも、安心して使える歯をつくることを第一に、そこに少しでも美しさや自然さをプラスできるように、丁寧な治療を心がけていきたいと思っています。