
「ちくちく言葉」と「ふわふわ言葉」 〜言葉の力であたたかい空間を〜
皆さんは「ちくちく言葉」と「ふわふわ言葉」という言葉を聞いたことがありますか? これは、保育園や小学校などでもよく使われる表現で、「人を傷つけるような言葉」をちくちく言葉、「相手に配慮してちくちく言葉を和らげた表現にする言葉」をふわふわ言葉と呼んでいます。
例えば、「まだ終わってないの?」「なんでそんなこともできないの?」といった言葉は、たとえ悪気がなくても、受け取る側にとっては心に小さなトゲを残すことがあります。これが「ちくちく言葉」です。単に「これをやって。」というのではなくて、「これをやってくれると僕はうれしいな。」と表現するだけでかなり印象変わりますよね。(最近では、文章に「。」がつくのもちくちく言葉にはいるのかもしれません)
相手に注意する時でも「いつもありがとう」「助かるよ」「大丈夫、ゆっくりでいいよ」といった言葉を添えるなど、ふわっと心を軽くしてくれる「ふわふわ言葉」です。同じ内容を伝える時でも、たった一言の違いで、受ける印象が大きく変わりますよね。
城北でのふわふわ言葉
実は、当院のチーフともよくこの「言葉の選び方」について話し合う機会があります。 日々の業務・診療のなかで、何気ないやりとりの中にも「ちくちく言葉」が混ざってしまうことがあります。それが積み重なると、知らず知らずのうちに職場の空気がギスギスしてしまったり、新人スタッフが委縮してしまったり…。そんな小さなすれ違いを防ぐためにも、私たちは「ふわふわ言葉」を大切にしたいと思っています。
また、言葉づかいは、周りの人にも伝染していくものです。誰かがちくちく言葉を使っていると、それを聞いた別の人も同じような表現を使ってしまうことがあります。逆に、優しい言葉を使っている人がいると、自然と周囲もあたたかい気持ちになるものです。
お互いの信頼感のために
そして何より大切なのは、お互いの「信頼感」。 「ここはなんだか居心地がいいな」「スタッフたちの雰囲気がいいな」と感じていただけるのは、治療の技術だけでなく、私たちの“言葉”にもあるのだと思います。だからこそ、医院という組織全体として、気持ちのよい言葉づかいを心がけたいと、スタッフの面談でも話をしています。
日々の忙しさの中で、つい言葉がきつくなってしまうこともあるかもしれません。ですが、ふと立ち止まって「この言い方でよかったかな?」と考えることが、チーム全体の雰囲気を大きく変えていく第一歩になります。
城北は、患者さんにとっても、働くスタッフにとっても、「ふわふわ言葉」があふれる、あたたかい場所でありたいと思っています。これからも、やさしい気持ちと言葉を大切にしてまいります。
どうぞ、今後ともよろしくお願いいたします。