
皆さんは、ご飯を食べたり、お茶を飲んだりするときのお口の動きを、じっくり考えたことはありますか?多くの方は、自然に当たり前のように行っているため、あまり意識されていないかもしれません。でも実は、そのお口の動き一つひとつには、たくさんの筋肉や機能が関わっているんです。
例えば、奥歯でしっかり噛むときには、咬筋(こうきん)や側頭筋(そくとうきん)などの筋肉が働いています。また、舌は食べ物をうまく集めたり、位置を調整したりしながら、最後には飲み込みやすい形にまとめてくれます。口唇(こうしん)や頬の筋肉も、しっかりとサポートしてくれているんです。
りんごを使った機能評価
そんな複雑なお口の動きを正しく評価するために、私たちは「食べ物を使った口腔機能評価」を行うようにしています。実際の咀嚼や嚥下状態を見ることは、その患者さんの機能や実態を確認するのにとても役に立ちます。その一環として、本日はスタッフ対象に、りんごを使った実習を行いました!
りんごを噛むと、ジュワッと果汁が出てきますよね。そして、唾液もたくさん分泌されます。この時、出てきた液体を舌の上に集めて、舌の後ろの方で飲み込む、という一連の動きがとても大切なのです。実はこの動きこそが、お口の機能を健やかに育てるために欠かせないポイントの一つです。
実習では、まずスタッフ皆さんに奥歯でしっかりとりんごを噛んでもらい、その後、前歯だけを使ってりんごを食べていただきました。すると、舌の動きや唾液の扱い方がまったく異なることに、皆さん驚かれていました。普段は意識していない、舌の動きをイメージできたのではないでしょうか?
理解して実践へ
口腔機能の発達には、ただ噛むだけでなく、“どこでどう噛むか”がとても重要なのです。よく、「奥歯でたくさん食べましょう」とは言いますが、「なぜ奥歯なのか?」って考えたことってあまりなかったと思います。今回の体験を通じて、「奥歯でしっかり噛むことの大切さ」を、肌で感じていただけたなら幸いです。
お子さんが健やかに成長していくためには、お口の正しい使い方を知ることがとても大切です。これからも、楽しく学びながら、皆さんと一緒にお口の健康を守っていけたら嬉しいです!