
スタッフの遅刻、どう向き合う? ― 安心して働ける職場づくりのために ―
歯科医院に限らず、どんな職場でも「スタッフが遅刻してしまう」「急に休まざるを得ない」「子どもの体調不良で早退が必要になった」など、人員がそろわない場面って意外と多くあるのではないでしょうか。
城北歯科でも、もちろんあります。特に小さなお子さんを育てながら働くスタッフにとっては、朝の準備のバタバタは日常茶飯事。急な発熱や学校からの連絡など、避けられない理由での遅刻や欠勤もあります。かといって、それに対して毎回厳しく対応するだけでは、職場の雰囲気は悪くなる一方です。
では、そうした事態にどう対応するか。
城北歯科では、あらかじめ「1人オーバー」な体制でシフトを組むようにしています。
「人が足りないかもしれない」という事態を前提にした、いわば“保険をかけた人員配置”です。これは人件費という面では非効率に見えるかもしれません。でも、現場で働くスタッフにとっては、「急に休んでも誰かがカバーしてくれる」「自分のせいで現場が回らなくなる、というプレッシャーが少ない」といった、心理的な安心感につながっています。
結果として、体調が悪いのに無理して出勤して悪化…なんてことも防げますし、ギスギスした雰囲気にもなりにくい。「助け合える職場」だと感じてもらえることは、スタッフの定着やモチベーションにもつながっています。
余裕から生まれる前向きなチャレンジ
また、この“1人余剰”の配置が、単なるトラブル対応だけでなく**「余裕から生まれる前向きなチャレンジ」**にもつながっているのです。
たとえば、スタッフが全員手一杯の状態だと、新しい取り組みや改善を始める余裕がありません。常に“火消し”状態の現場では、前を向いて進むのが難しくなります。でも、少しでも時間と人の余裕があると、「じゃあこの時間でマニュアルを見直してみよう」「写真の撮り方をもう一度復習しよう」「この前学んだことを共有しよう」といった、小さな前進が可能になります。
このブログを書いている今も、代診の先生が診療を担当してくださっているおかげで、私は事務作業や発信の時間を確保できています。これも「余裕がある体制」のおかげです。
もちろん、余剰人員がいつも必要というわけではありませんし、最小限で最大の効果を出すことも医療現場では大切です。でも、“余白”のある職場は、人にも組織にも優しいと感じています。
遅刻や欠勤は、できれば避けたい事態です。けれど、「起こってはいけないもの」として厳しく管理するより、「起こりうるもの」として前向きに備える。それが、今の時代に合った働き方ではないでしょうか。
これからも、誰かが体調を崩したり、急な用事で休んだとしても、誰かが自然とサポートできる。そんな職場を目指して、日々の体制づくりを続けていきたいと思っています。