
「夏休み」と聞くと、子どものころのワクワク感がよみがえってきませんか?宿題を大急ぎで終わらせて友達と遊んだり、家族旅行に出かけたり…。夏休みは昔から特別な響きを持つ時間でした。
共働き世帯には負担が多い?
けれども令和の今、この長い夏休みが負担になっているという声もよく聞きます。
大きな理由のひとつは、共働き世帯の増加でしょうか。学校が長期休みに入ると、子どもは日中どこで過ごすのか?お昼ご飯はどうするのか?──親にとっては大きな悩みです。実際、子どもが家でひとり、あるいは兄弟姉妹だけで過ごす時間が増えており、それが何週間も続くのは決して望まれるような状態ではありません。
もしその時間を有意義に活用できるなら理想的ですが、現実にはかなり難しく、「ゲーム」「動画」で一日が終わってしまうケースも少なくありません。もちろん、それも息抜きにはなりますが、ずっと続けば「せっかくの夏休みなのに」と思ってしまいます。
近年の猛暑も影響
加えて近年の猛暑も深刻。外での部活動や遊びは熱中症の危険が伴い、以前のように「元気いっぱい外遊び!」とは言えなくなりました。さらに、保護者がいない家庭も多いため、友達同士で友達の家に気軽に集まるのも難しい状況です。
休みを分散できないの?
こうした背景踏まえて、「夏休みを短縮する」「あるいはなくす」という声が上がってきているのも事実です。私立の小学校では、夏休み期間が短いような学校も出てきているようですし。
しかし、この考え方には当然、別の立場からの意見もあります。たとえば学校や教員側にとって、夏休みは貴重な休養期間です。長い学期のあいだに溜まった疲れを癒し、新しい授業の準備や研修にあてる大切な時間でもあります。もし夏休みが短縮されれば、教員の負担はさらに増し、教育現場全体の余裕が失われてしまう危険もあります。
また、子どもにとっても「長い休みだからこそ得られる体験」があるのも事実です。旅行、合宿、地域の活動、自由研究──短い休みではなかなか経験できないことが、夏休みの大きな価値のひとつです。
これからの夏休みを思って
つまり、夏休みを「そのまま残すべき」と「見直すべき」の両方に理由があり、簡単に答えが出せる問題ではありません。
それでも、今の社会や環境の変化を考えると、現状を見直す必要はあるのかもしれません。休みを分散させて負担を軽減する、地域や学校が協力して子どもの居場所をつくる、オンライン学習や体験活動を組み合わせる──そんな新しい形を模索することが求められているのではないでしょうか。
令和の夏休みは、昔と同じ“特別な時間”でありながら、同時に大きな課題も抱えています。だからこそ、「なくす」「短縮する」という極端な議論も含めて、多角的に考えていく必要があるのだと思います。
さて、みなさんは「今の時代の夏休み」、どんな形が望ましいと思われますか?