城北歯科の待合室の窓から見える小さな花壇。通院される皆さんが、ほんのひとときでもホッとできるようにと、年に2回、春と秋の2シーズンにお花の植え替えをお願いしています。今年も6月になり、夏を迎える準備として植え替えを行いました。

今回の植え替えで、私がとくに興味を惹かれたのは「ジニアジャジー」というお花です。ジニアは百日草（ひゃくにちそう）という名前でも知られている丈夫なお花なのですが、この「ジャジー」という品種はちょっとユニーク。お花の中心が赤く、その周りの花びらが鮮やかな黄色で、見ているだけで元気が出てくるような色合いです。ただ面白いのは、この赤と黄色のバランスが一株ごとに違うということ。あるものは赤が強くて情熱的な印象、またあるものは黄色が多くて明るい陽気な印象と、個性が際立っていて、まるで小さな作品のようです。

そしてもうひとつ、印象的だったのが「ヒューケラ・マーマレード」。名前だけ聞くとお菓子のようで可愛らしいですが、実物はちょっと大人びた雰囲気を持った植物です。他の鮮やかな花たちと違って、葉っぱの色がくすんだ黄色ややわらかな茶色。まるでアンティーク調のインテリアのように、全体の雰囲気をグッと落ち着かせてくれる存在です。こうした植物が一つ加わるだけで、全体のバランスが整って、見る人の目を楽しませてくれます。

この花壇の植え替えは、毎回解説してくださるのがまた楽しみのひとつです。毎回一つお花の名前を覚えるようにしています。私たちスタッフも、通るたびに「この花、色が変わってきたね」と話題になることが多く、ちょっとした癒しの時間になっています。

お花は、季節によってその姿を変えていきます。とくにこれからの夏は、太陽の光を浴びてぐんぐん成長する季節。ジニアジャジーもヒューケラも、きっとまた違った表情を見せてくれることでしょう。

来院された際には、ぜひ少し足を止めて花壇をのぞいてみてください。それぞれのお花が、それぞれのペースで咲いています。もしかしたら、あなたのお気に入りの一株が見つかるかもしれません。

医院の中だけでなく、こうしたちょっとした景色の変化を楽しむことができるのも、歯科医院という日常の場だからこそ。これからも、診療だけでなく、皆さんの気持ちが少しでも明るくなるような工夫を続けていきたいと思っています。