普通の広告と違うの?
医療機関が発信する医療広告には、法律や規制によって厳しいルールが定められています。これらのルールは、患者さんが正確で公平な情報を得られるようにするため、また、不適切な広告や誇張された表現によって誤解を招くことを防ぐ目的で設けられています。しかし、一般の方々にとって、これらの規制の詳細を理解するのは難しいことが多いでしょう。本記事では、医療広告に関する基本的なルールや背景についてわかりやすく解説します。
(城北歯科でもインスタグラム上で個別の症例を載せていますが、医療広告ガイドラインに則って掲載させていただいております。)
医療法による規制
まず、医療広告を規制する主な法律は「医療法」です。この法律に基づき、医療機関が出す広告は以下のような要件を満たす必要があります。
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虚偽や誇大な表現の禁止 医療広告では、事実とは異なる内容や誇張した表現を使うことは禁止されています。たとえば、治療効果を過大に強調する言葉や、確実な治癒を保証するような表現は認められません。これにより、患者さんが過剰な期待を抱いたり、不必要な治療を受けることを防ぎます。
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特定の用語や内容の制限 医療広告では、「安全」「安心」「最新」といった漠然とした言葉を使うことに制限があります。また、具体的な治療成績や患者さんの体験談(いわゆる口コミ)を広告に載せる場合にも厳しい基準があります。これらの表現が患者さんに誤解を与えないようにするためです。
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厚生労働省の指針に基づく広告 医療広告には、厚生労働省が定めた広告ガイドラインがあります。このガイドラインでは、広告に記載できる内容や形式について詳細に規定されています。たとえば、診療科目や医師の資格、設備の内容など、事実に基づいた情報のみが広告に掲載できます。
一般の方が注意すべき点
これらの規制がある背景には、医療の特殊性があります。患者さんにとって、医療は命や健康に直結する重要な選択です。そのため、他の業種の広告と同じ基準ではなく、より厳しい規制が必要とされます。また、インターネットやSNSの普及により、医療広告が簡単に広まる時代となりましたが、それに伴い誤解を招く情報も増えるリスクがあります。
では、一般の方が医療広告を見る際に注意すべき点は何でしょうか?
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信頼できる情報源かどうか確認する 医療機関の公式ウェブサイトや、厚生労働省など公的な機関が発信する情報は信頼性が高いと言えます。一方で、過剰なアピールが多い広告には注意が必要です。
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具体的な説明があるかを確認する 「安全」や「安心」といった言葉だけでなく、具体的な治療法や対応内容が説明されているかを確認しましょう。内容が曖昧な場合、その情報だけで判断しないことが重要です。
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口コミや体験談に依存しすぎない 患者さんの体験談は参考になりますが、あくまで個人の感想であり、全ての人に当てはまるわけではありません。特に広告に掲載されている体験談は、選ばれた一部の意見である可能性が高いです。
まとめ
医療広告における規制は、患者さんが正しい判断を行うための大切な仕組みです。医療機関が適切な情報を発信することで、患者さんとの信頼関係を築くことができます。この記事を通じて、医療広告のルールや背景について少しでも理解を深めていただければ幸いです。