お子さんの矯正治療には、一般的に「1期治療」と「2期治療」という2つのステップがあります。それぞれの治療には異なる目的があり、成長段階に応じた適切な治療が行われます。今回は、2期治療の開始時期について詳しくお話しします。
1期治療と2期治療の違い
1期治療は主に骨格的な不調和を改善することを目的としています。例えば、顎の成長を調整したり、噛み合わせを整えたりすることで、将来的な歯並びを良くする土台を作ります。一方で、2期治療では、個々の歯の位置を整えることが主な目的となります。そのため、2期治療は「成人矯正治療」と表現されることもあります。
2期治療の一般的な開始時期
2期治療を始めるタイミングとして多いのは、第二大臼歯(12歳臼歯)が生え揃う時期です。これは中学生2年生頃にあたることが多いです。この時期は、顎顔面の骨格的な成長が終盤を迎え、骨格的な変化が少なくなるため、歯の位置の調整に集中した治療が行いやすくなります。
審美的な要素や治療方法の選択肢も広がる時期
2期治療では、審美的な要素も重要なポイントになります。歯並びが整うことで笑顔の印象が良くなるため、多くの方が見た目の美しさを意識するようになります。また、この時期は、抜歯や非抜歯といった治療方法の選択肢も出てくるため、治療方針の決定には慎重な判断が求められます。これらの選択肢については、担当の矯正医と十分に相談しながら進めることが大切です。
開始時期は症例や生活背景によって異なる
2期治療の開始時期は、お子さんの症例の進行状況や治療方針によって異なります。例えば、成長のペースや歯の萌出状況などが関係します。また、生活背景も考慮する必要があります。高校受験や思春期の心身の変化など、生活環境が大きく変化するタイミングと重なる場合は、無理に治療を始めるのではなく、適切な時期を見極めることが重要です。
焦らず、通いやすい時期を選びましょう
2期治療は1期治療と異なり、開始時期を急ぐ必要がない場合が多いです。そのため、無理のないペースで、通院がしやすい時期を見計らいながら、担当の矯正医と相談して治療開始のタイミングを決めることをおすすめします。
お子さんの成長や生活環境、審美的な要素、治療方法の選択肢を考慮し、最適な治療開始時期を選ぶことで、よりスムーズで効果的な治療が期待できます。気になることがあれば、ぜひお気軽に担当医にご相談ください。