ある日、新しいスタッフにPC操作を教えた際のことです。そのスタッフは素早く作業をこなし、周りのスタッフがそのスキルに驚いていました。そんな光景を見て、ふと感じたました。
歯科業界では、2024年6月の診療報酬改定が多くの新しい機会をもたらしました。地域医療との連携に始まり、新しい疾患名や概念が導入され、治療方法や機器、カルテ記載、さらには診療報酬の仕組みに至るまで、多くの進展が求められました。これらの変更点は、患者さんにメリットがあるだけでなく、スタッフにとっても診療報酬という形で還元されるため、大変有益です。これらの変化に対応するため、さまざまな媒体や機会を駆使してスタッフ教育を行い、環境を整備してきました。しかし、それでもなお昔ながらの方法を選択するスタッフが多いという現状があります。
なぜ、従来の方法を選択するのか?
– 慣れた方法の安心感:慣れたやり方を繰り返すことで、ストレスや失敗のリスクを減らしたいという心理が働くのではないか?
– 新しいことへの不安:新しい知識や技術を学ぶことに対する不安やストレスがあるのではないか?
もしくは単純にめんどくさい?
やったことがないからできない。スキルがなくてできない。練習していないからできない。
– 変化の必要性が見えない:新しい方法のメリットを理解できていないため、従来の方法で十分だと考えているかもしれない?
こうした背景を考えると、スタッフが新しいことに挑戦するハードルは、思った以上に高いのかもしれません。
率先垂範の重要性
「やってみせ、言って聞かせてさせてみて、褒めてやらねば人は動かじ」
1. まずは自分がやってみせる
自分自身が新しい方法を率先して試し、実際にその効果や利便性を示します。院長が手本を示すことで、スタッフが「自分もやってみよう」と思える環境を作ります。
2. 言って聞かせる
新しい方法のメリットや必要性を何回も説明し、納得感を持ってもらいます。ただ「やりなさい」という指示ではなく、「なぜこれが必要なのか」を理解してもらうことが重要です。
3. させてみる
スタッフ自身に実際に取り組んでもらいます。最初は小さなステップから始めることで、負担を軽減し、成功体験を積んでもらいます。
4. 褒める
成果をしっかり評価し、努力を認めることで、モチベーションを高めます。「できて当たり前」と思わず、小さな進歩でも積極的に褒める。
少しずつ変化を受け入れる
新しいことに挑戦するには、勇気と努力と合理的判断が必要です。それを継続することで、スキルや知識が積み上がり、より良い結果を得られるようになります。スタッフ全員が少しずつでも変化を受け入れ、成長していくことで、医院全体の質が向上するはずです。
変化は簡単ではありませんが、一歩ずつ進むことが大切です。これからも率先して新しいことに挑戦し、スタッフとともに成長していきたいと思います。