
マウスピース矯正治療
マウスピース矯正治療
近年、マウスピース型矯正治療は「目立ちにくい」「痛みが少ない」「手軽にできそう」といった魅力が注目され、歯科医院のHPやSNSでもたくさん見かけるようになってきています。目立ちにくいとか簡便さなどのメリットが強調される広告も多くあり、誰にでも手軽に始められそうな気がしてしまいます。
しかし、実際の治療では、お口の状態や噛み合わせを正確に診断し、適切な治療計画を立てることが非常に重要です。すべての方が同じようにマウスピース矯正の対象になるわけではありません。まず正確な診断によるメリット・デメリット・注意点などを総合的に判断した上で、マウスピース治療の適否を判断することがとても大切です。また、マウスピース治療の性質上、患者さんの年齢や性格、職業なども治療の成果に影響を与えることもあります。
当院では、患者さんに安心して治療を受けていただくために、医療法および医療広告ガイドラインに基づき、正確で誠実な情報提供を心がけています。
マウスピース矯正は、透明なプラスチック製のマウスピース(アライナー)を段階的に交換しながら、歯を少しずつ正しい位置へ動かしていく矯正方法です。
従来のワイヤー矯正とは異なり、装置が目立ちにくいため、周囲に気づかれにくいのが大きな特徴です。取り外しも可能で、食事や歯磨きが普段通りに行えるため、虫歯のリスクが少ないこともメリットのひとつです。
ただし、マウスピース矯正は「はめている時間」がとても大切です。一般的に1日20〜22時間の装着が必要とされ、これを守れないと十分な効果が得られないこともあります。
また、マウスピース治療には国内外を問わず様々なメーカーやシステムがあり、著しく拡大している分野でもあり、適応範囲や治療方針も異なります。またメーカーによっては、薬機法の認可を受けているものとそうでないものも存在します。
薬機法(やっきほう)というのは、正式には「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」といいます。ちょっと長い名前ですが、簡単にいうと、「薬や医療機器を、安全に、安心して使えるようにするためのルール」です。たとえば、
などを国がしっかりチェックして、許可を出しています。つまり、病院や歯科医院で使われるお薬や機械は、この薬機法のルールを守ったものが使われるようになっています。これによって、私たち患者が安心して治療を受けられるようになっているんです。この薬機法未承認の機器等を使用する場合には、慎重な判断が必要です。
マウスピース矯正は「誰でも簡単にできる治療」ではありません。適切な診断のもと、患者さんご自身のご協力も大切になる治療です。
当院では、矯正治療を安全に進めるために、診断と治療計画作成を行っています。治療の流れは以下の通りです。
1
初診カウンセリング
お悩みやご希望をしっかりお伺いし、現時点で考えられる治療の可能性をご説明します。ご相談だけでもお気軽にお越しください。
2
精密検査・診断
歯の型取り(口腔内スキャナー)、レントゲン撮影、口腔内写真、噛み合わせ診査などを行い、詳細に診断します。
3
治療計画のご説明
3Dシミュレーションをもとに、歯がどのように動くのか、治療期間、費用、注意事項などを説明します。
4
治療開始
オーダーメイドのマウスピースを作製し、段階的に交換しながら治療を進めていきます。城北では1ヶ月ごとに通院いただき、モニタリングを継続します。そこで治療の進行状況を確認し、毎月必要に応じて処置を行います。
5
保定期間
歯並びが整った後は、後戻りを防ぐため保定装置(リテーナー)を使用します。定期的な経過観察も行います。
適応については、しっかりと診断を行った上でご説明いたします。ご自身で判断せず、まずはご相談いただくことをおすすめします。
マウスピース矯正は、患者さんご自身の「納得」と「協力」があってはじめて成立する治療です。当院では、治療を無理に勧めることはありません。
少しでも「気になるな」「自分にもできるのかな」と思われた方は、お気軽に初診カウンセリングをご利用ください。小さなご相談も大歓迎です。