
天才の発想が棚卸しを変えた日
みなさんは「ひとつの発想が世界を変えた」という話を耳にしたことはありますか? ちょっと大げさに聞こえるかもしれませんが、日々の診療の中でも、ちょっとした「ひらめき」が大きな変化を生むことがあります。今日は、城北歯科で起きた“棚卸し革命”のお話をしたいと思います。
棚卸し作業の大変さ
歯科医院では、日々たくさんの材料や器具を使用しています。詰め物や印象材、矯正用のワイヤーやバンドなど、種類もサイズも実に多様です。 これらの在庫をしっかり管理することは、スムーズな診療のためにも、そして経営面・税務面から見てもとても大切なことなのですが…正直に言って、この棚卸し作業がなかなかの“重労働”なのです。
特に矯正歯科で使用する「バンド」は、歯の種類ごとに形が違い、さらに同じ歯でも患者さんによってサイズが異なります。ですから、医院によっては何百個というバンドを管理していることも珍しくありません。 城北歯科でも、なんと総数500個くらいのバンドやブラケットを保管しています。これを一つひとつ数えるのはまさに気が遠くなる作業…。毎月きちんと棚卸しをしたいけれど、スタッフの負担を考えると現実的には難しい、というのが長年の悩みでした。
AIでも解決できなかった問題
最近では、AIを活用した在庫管理システムも登場しています。しかし、歯科材料、とくにバンドのように形やサイズが微妙に異なるものには、まだまだ対応が追いついていません。 私たちもいくつか検討しましたが、どれも「惜しい」ものばかり。 そんな中、あるスタッフの“ひとこと”が、すべてを変えたのです。
「重さで数えればいいんじゃない?」
その発想は、まさに天才的でした。 「バンド1個ずつの重さがわかれば、総重量から個数を計算できるんじゃない?」 確かに理屈はシンプルです。しかし、そんなにうまくいくのだろうか?と半信半疑。 さっそくAmazonで精密な電子はかりを購入して、試してみることにしました。スタッフみんなで試行錯誤。 でも、測り方のコツをつかみ、条件を整えていくと、驚くほど正確に個数を算出できるようになったのです! これにはスタッフ全員、思わず拍手。 あれほど苦労していたバンドのカウント作業が、わずか数秒で完了するようになったのです。
「秒」で終わる棚卸し
以前は、バンドの数を数えるだけで1時間以上かかることもありました。目で見て、指でつまんで、数えて、記録して…気が遠くなる作業でした。それが今では、袋を乗せて「ピッ」と重さを測るだけ。電卓で簡単に割り算すれば、ほぼ誤差なしで個数が出せます。 「これはまさに天才の発想だ!」と誰もが感じました。
ちょっとした工夫が未来を変える
今回の出来事で感じたのは、「発想の力」のすごさです。 どんなに当たり前だと思っていることでも、見方を少し変えるだけで、世界が変わることがある。 AIや最新技術だけでなく、人の“気づき”や“工夫”が、日常をもっと快適に、楽しくしてくれるのですね。 この「ひらめき」は、私たちの小さな革命です。
これからも城北歯科では、日々の仕事の中で「もっといい方法」「もっと楽しくできる工夫」を探していきます。 そして、そんな前向きなエネルギーを、患者さんにも感じていただけたら嬉しいです。







