名古屋市北区で「きたきたフェスタ」が開催されました。北区の皆様が集まるこのイベントに、私も北区歯科医師会の会員の一人として参加し、「口腔機能検査・歯科相談」コーナーを担当させていただきました。このコーナーでは、お口の機能低下を調べるための口腔機能検査を体験してもらうとともに、区民の皆様にお口の健康を守るための大切な情報やサポートを提供しました。

特に近年、歯科医師会が力を入れているのが「オーラルフレイル」の予防です。オーラルフレイルとは、加齢や生活習慣の変化によって、口腔機能が徐々に低下し、健康全体に影響を与える現象です。例えば、食べ物を噛む力が弱くなったり、飲み込みが難しくなったり、唾液が少なくなって口が乾きやすくなったりするような些細なお口の変化が含まれます。これらの症状は、日常生活に少しずつ影響を与え、放っておくと全身のフレイル（虚弱）につながることもあるため、早期の予防と対策が非常に重要です。

今回の「きたきたフェスタ」では、このオーラルフレイルについて多くの区民の皆様に知っていただくために、口腔機能検査を実際に体験していただきました。口腔機能検査は、噛む力や飲み込む力、唾液の分泌量などをチェックできる検査です。普段はあまり気にしていない口の中の変化も、この検査で気づくことができ、適切なケアを始めるきっかけになります。

この口腔機能検査は、現在対応している歯科医院が増えてきており、定期的に行うことで、オーラルフレイルの早期発見や予防に役立ちます。もし最近、「食べ物がうまく噛めない」「飲み込みにくい」「よくむせる」「口が乾く」といったお口の悩みがある方は、ぜひお近くの歯科医院で相談してみてください。適切なアドバイスや治療が受けられるほか、口腔機能を維持するためのトレーニング方法なども教えてもらえます。例えば、よく噛んで食べる習慣や、水分をしっかり取ること、舌や口の筋肉を鍛えるエクササイズなどがあります。こういった日常生活でのちょっとした工夫でも効果が期待できますので、気軽に始めることが可能なのです。

「きたきたフェスタ」での体験を通じて、多くの方がご自身の口腔機能の大切さに気づかれたことと思います。お口の健康が全身の健康に深く関わっていることを改めて感じていただけると嬉しいです。

最後に、口腔機能に少しでも不安を感じたら、かかりつけの歯科医院にご相談ください。専門的なアドバイスを受けることで、将来にわたってお口の健康を守ることができます。これからも地域の皆様の健康を支えるため、サポートさせていただきたいと思います。