秋も深まり、あちらこちらで色づいた木々が目を楽しませてくれる季節になりました。１年を通して、紅葉を心ゆくまで眺められる時間は本当にわずかです。その短い期間だからこそ、今年もまた出会えた鮮やかな景色に、思わず「ありがとう」と言いたくなるような気持ちになります。

特に今年の我が家の紅葉は、例年よりもいっそう綺麗な気がします。赤や黄色が重なり合い、太陽の光に照らされてキラキラ輝く姿を見ると、忙しさを忘れてしばらく立ち止まりたくなります。小さな頃には、紅葉を見てこんな気持ちになるなんて想像もしていませんでした。大人が木々の色づきを楽しんでいる姿を見ても「どこが楽しいんだろう？」と思っていたくらいです。

けれど今では、その“刹那の美しさ”こそが、季節を感じる大切な時間だと自然に思えるようになりました。同じ景色は二度とないことを知ったからこそ、心に留めておきたくなるのかもしれません。

ふと足元を見ると、そこには落ち葉のじゅうたんが広がっています。これもまた秋ならではの風景で、カサカサと音を立てながら歩くと、なんだか童心に返ったようで楽しくなります。落ち葉を見るといつも思い出すのが、小学生の頃、父と庭に落ち葉を集めて焚き火をしたことです。パチパチとはぜる火を囲みながら焼き芋を作って、熱々をほおばったあの時間は、今でも宝物のような思い出です。

今の時代は煙が出るとご近所の迷惑になってしまうので、あの頃のような焚き火はなかなかできません。それは少しさみしい気もしますが、だからこそ思い出の温かさがいっそう際立つのかもしれませんね。

紅葉は、私たちに季節の移り変わりの美しさをそっと教えてくれます。慌ただしい毎日の中でも、空を見上げてみたり、足元の落ち葉に目を向けてみたりすると、心がふっと軽くなる瞬間がありますよね。

歯科医院では、季節ごとにお庭のお花の植え替えをしています。先日、冬の花にしてもらいました。これから寒さが厳しくなりますので、お口の健康とともに体調管理にも気をつけながら、どうぞ温かい季節をお過ごしください。