言葉の先には人がいる|医療法人城北 城北歯科医院・矯正歯科|名古屋市北区にある歯医者

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言葉の先には人がいる

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伝えるチカラは、思いやりのチカラ

最近読んだ一冊の絵本があります。 フリーアナウンサー藤井貴彦さん監修の『10歳から考える 伝える言葉』という本です。 対象は子ども向けではありますが、大人が読んでも大きな気づきがありました。特に医療現場で働く私たちにとって、この本に書かれていることはとても大切なメッセージだと感じました。
子ども向けの絵本や読み物が好きで、よく手に取るのですが、今回も「ああ、これ、スタッフ教育にそのまま使えるな」と思いながら読み進めていました。 というのも、歯科医院のようなチームで働く現場では、日々いろいろなコミュニケーションが飛び交います。 そんな中で、ちょっとした言い方の違いで相手を傷つけてしまったり、誤解が生まれたりすることが、少なからずあります。
例えば、あるスタッフが別のスタッフに対して注意をしたつもりが、「責められた」と感じさせてしまったり、忙しい時間帯での一言が「冷たい」と受け取られてしまったり…。 もちろん、明らかに不適切な発言に対しては私からも注意をしますが、当の本人に話を聞いてみると、たいてい「そんなつもりはなかったんです」と言います。 悪意がないからこそ、難しいのです。 言葉の先にいる相手の「感情」まで、想像する余裕がなかっただけなんだろうなと感じる場面が多々あります。
そして最近では、院内の連絡も口頭だけでなく、チャットやメッセージアプリを通じてやりとりすることが増えています。 この「文字だけの会話」は、相手の表情も声のトーンもない分、冷たく見えたり、強く感じたりすることがあります。 どんなに丁寧に書いたつもりでも、読み手によって受け取り方が大きく変わることがあるのです。
だからこそ、「伝えるチカラ」には「思いやるチカラ」が必要なのだと、改めて感じます。 藤井さんの本の中でも、「相手がどう思うか」という視点が強調されていましたが、これは子どもだけでなく、大人にも大切な考え方だと思います。 むしろ、忙しさの中でこの視点を忘れがちな私たち医療従事者にこそ、定期的に立ち返るべきことなのかもしれません。
10歳の子どもたちに届ける言葉のように、シンプルで、あたたかく、思いやりのある言葉を大人も使えるようになったら、職場の空気はもっとやさしく、居心地のよいものになるのではないでしょうか。
言葉のチカラは、人を元気にしたり、励ましたり、勇気づけたりすることができます。 でもその逆もまた然り。だからこそ、私たちはその使い方に、少しだけ丁寧でありたいと思います。 「伝える」という行為に、もう一歩の「思いやり」を添えて。
そんなことを、1冊の絵本から改めて学んだ時間でした。