
僕がこの医院の勤務医だった頃は、院内に技工士さんがいて、人工歯配列や義歯の修理、矯正装置などの技工物は院内で製作していました。そのずっと前には、被せ物や詰め物も作っていたそうです。
鋳造機や、義歯を作るためのフラスコ、プレス機(正式名称が思い出せずすみません…)など、設備も一通りそろっていて、「院内で作るのが当たり前」という時代だったようです。
その後、技工士さんが退職されてからは、矯正装置をドクターが作ることもありました。
しかし、やはり技工士さんが作る装置は仕上がりがとても美しく、精度も高い。
診療後にドクターが時間をかけて作るのは正直大変なので、現在ではほとんどの装置や技工物を信頼できる技工所にお願いしています。
最近は歯科医療の世界でもデジタル化が進み、院内での技工が再び注目されるようになってきました。
ただ、そうはいっても専属の技工士がいないと運用が難しかったり、機器が高額だったりと、導入のハードルは決して低くありません。実際、導入を検討しても断念される歯科医院さんは多いのではないかと思います。
そんな中で、城北でもちょっとしたものは技工室で製作しています。そのほか、「時間的に外注が間に合わないもの」は、今でも院内で作成することがあります。
今回作ったのは、**顎変形症の患者さんの顎の動きを評価する検査に使用する「ジグ」**と呼ばれる装置です。このジグに専用のマーカーを取り付けることで、顎の動きを3D(立体的)に解析することができます。手術前と手術後で、顎の動きがどのように変化したかを確認するための、大切な機能評価の一つです。
患者さんからは見えにくい部分ではありますが、こうした検査や準備が、より安全で質の高い治療につながっています。「院内で作る」というひと手間が、患者さん一人ひとりに合わせた医療につながっています。
これからも、最新の技術と昔ながらの良さを大切にしながら、安心して通っていただける歯科医療を提供していきたいと思います。







