光学印象(口腔内スキャナー)|名古屋市北区の歯科・歯医者|城北歯科医院・矯正歯科|土日診療

〒462-0026名古屋市北区萩野通1-37
TEL.052-914-1040
  • 緊急随時対応

  • 求人案内

052-914-1040 WEB予約
ヘッダー画像

光学印象(口腔内スキャナー)

光学印象(口腔内スキャナー)|名古屋市北区の歯科・歯医者|城北歯科医院・矯正歯科|土日診療

光学印象とは?

歯科治療で「型取り」と聞くと、多くの方が粘土のような材料を口の中に入れて、固まるまでじっと待たされた経験を思い出すのではないでしょうか。 従来の型取りでは、印象材と呼ばれる柔らかい材料を口に流し込み、それを固めて歯や歯ぐきの形を写し取ります。
これを石膏で模型化し、その模型をもとに補綴物(詰め物・被せ物)や矯正装置を作製してきました。
光学印象とは、そのような従来法に代わり、小型カメラ(口腔内スキャナー)を使って歯や歯列を撮影し、コンピュータ上で立体的なデータを作成する方法です。つまり「光で型を取る」という新しい発想の技術で、物理的な印象材や石膏模型を必要としません。

画期的なポイント

画期的なポイント

光学印象が注目される理由は、精度と快適さの両立です。 従来法では作業の行程が多いだけでなく、材料の変形や石膏模型の割れ・摩耗によって、わずかな誤差が生じることが避けられませんでした。しかし光学印象では直接デジタルデータを取得できるため、誤差が少なく、再現性も高いのが特長です。診療室で実施する装着時の調整量が格段と減るため、ドクターの負担もかなり軽減されています。
さらに、患者さんにとって大きなストレスだった「印象材を口いっぱいに入れる時間」が不要となり、嘔吐反射が強い方や小さなお子さんでも安心して型取りを受けることができます。数年前まではお子さんの矯正治療前の検査では必ず粘土で型をとっていましたが、今では光学印象だけにしています。

光学印象が使用される場面

光学印象は幅広い治療に応用されています。

矯正治療

歯並びの正確な記録を残し、治療シミュレーションやマウスピース型矯正(アライナー)の作製に使用。
レントゲン(CT)データとマッチングすることが可能なので、歯、粘膜、歯根、骨、神経・血管の管、などのデータを3次元で見たり、模型にすることが可能となり、診断の幅が格段に上がりました。

補綴治療

被せ物や詰め物の型取りを短時間かつ精密に行え、適合性の高い補綴物を作製可能。今では、保険治療の一部でも使用することができるようになってきています。かぶせものが壊れた場合でも、データがあればすぐにつくりなおすことが可能です。

インプラント治療

インプラントの埋入位置やかみ合わせを正確に把握し、手術ガイドや上部構造の製作に活用。

定期検診

口腔内写真のかわりに、3Dデータを記録して、定期検診時に患者さんと一緒に口腔内状況を共有できる。

従来法との比較

項目 従来の型取り 光学印象
患者さんの負担 嘔吐反射・不快感あり 快適
精度 材料の精度、複雑な作業の行程で誤差が出やすい 作業工程も少なく、データ精度も高いため安定
工程 印象材注入 → 石膏模型作製 → 技工物作成 スキャン後すぐにデータ化
データ管理 模型を物理的に保管する場所が必要 デジタルで保管・転送が容易 バックアップ必要
光学印象が使用される場面

模型保管の問題とデータ管理のメリット

デメリット

歯科治療、特に矯正治療では、治療開始時の模型を「記録」として長期にわたり保管する必要があります。治療は数年単位に及ぶことが多く、治療終了後も法的・学術的観点から半永久的に保管されるケースがあります。
従来の方法では、粘土状の印象材から石膏模型を作り、それを医院内に保管しなければなりません。1人の患者さんでも複数の時期に模型を残すため、年を追うごとに大量の模型が蓄積していきます。これらを保管するためには、専用の倉庫や棚が必要となり、医院にとっては大きな負担でした。
光学印象では、模型をデータとして保管できるため、物理的なスペースが不要になります。膨大な模型の山が、パソコンやクラウド上のデータとして管理できるのです。これにより、保管スペースの問題が劇的に解消されると同時に、データ検索や共有も容易になり、必要な時に瞬時に過去の情報を呼び出せます。これは歯科医院にとっても患者さんにとっても大きなメリットといえるでしょう。

メリット

  1. 快適
    従来のような不快感が少なく、スムーズに型取りが完了します。お子さんの型取りや、嚥下機能の低下した高齢者の型取りなどにも有効だと思われます。
  2. 高精度な補綴物・矯正装置
    ズレや変形が少なく、フィット感の高い装置や被せ物が作製可能。レントゲンデータや顔面スキャンデータとマッチングすることで、診断の幅が拡がることで治療の幅も広がる。当院においても、矯正診断ではもはや欠かせないツールとなっています。安心安全な治療を提供するためには、なくてはならない存在となりつつあります。
  3. バックヤードの効率化
    作業行程がスリム化することで、スタッフの作業が効率化し、働き方改革につながります。
  4. 治療の見える化
    スキャンしたデータをモニターに映し出し、歯並びやかみ合わせをその場で、大きな画面で確認できます。患者さんも、なかなかみることができない歯の裏側などもみることができます。
  5. データ保管の安心感
    治療の記録がデジタルで保存されるため、いつでもすぐに参照できる安心感があります。
  6. 遠隔地での治療へ応用できる
    遠隔地での治療、訪問診療等で再得したデータを即時にどこでも閲覧・編集することができるため、遠隔地での治療でもメリットが大きいと考えられます。
    補綴物をつくる機器が手元にあれば、その場で技工物を作り出すことができます。

デメリット

  1. 機器が高額
    光学印象機器が非常に高額なので、医院の負担が大きい。機器導入に見合った、診療体系を構築しないといけないなどの手間が増える面があります。
  2. 精密機器の維持管理が必要
    維持管理コストが必要になります。
  3. 保険適用ではあるが、従来の方法と比較して患者さん負担も若干増加することがあります。
  4. 使いこなすのに、トレーニングが必要。データの管理、修正、編集や技工所との連携する環境を構築する必要があります。
    治療の幅が拡がることによって、担当者の負担が増える場合もあります。

今後の展望

光学印象はすでに世界的に広く普及しており、今後はさらにAIや3Dプリンターとの連携が進むと考えられます。矯正治療では、スキャンデータから自動的にシミュレーションを作成し、治療計画を提示する技術が発展しています。補綴治療では、スキャンデータをそのまま3Dプリンターに送り、即日で仮歯や被せ物を作ることも可能になってきました。また、遠隔地で光学印象データを再得した場合でも、技工物の設計をどこでも実施できます。将来的には、歯科治療全体のデジタル化が加速し、患者さんにとって「早く・正確で・安心できる治療」が当たり前になるでしょう。その中心的役割を担ってくるのが、光学印象といえるのではないでしょうか。

今後の展望

まとめ

光学印象は、従来の型取りで避けられなかった不快感や誤差を大幅に改善し、精密で快適な治療を可能にした革新的な技術です。
さらに、データとしての保管が可能なことで、膨大な石膏模型の保管問題も解決でき、歯科医療の効率化と発展に大きく貢献していくことが予想されます。
ぜひ、あなたも体験してみませんか?