
「せんせい」が「てんてい」になったり、「さかな」が「しゃかな」になったり。小さなお子さんの可愛らしい発音に、思わず笑顔になってしまうことも多いですよね。でも、お友達との会話がスムーズにいかなくなったり、言葉が伝わりにくくなると、少し気になるかもしれません。
実は、発音には口腔機能が深く関わっています。舌(ベロ)や唇、頬の筋肉の動きが十分に発達していないと、正しい音を出すことが難しくなります。特に「さ・し・す・せ・そ」などの音は、舌の動きが大きく影響するため、発音しにくいお子さんが多いのです。
発音に必要な口腔機能とは?
発音には、舌を適切に動かす力(舌の運動機能)や、唇や頬の筋力、息のコントロールなどが関係しています。例えば、「さ」の音を出すには、舌の先が上の前歯の裏側に軽く離れながら息を前に出す必要があります。でも、舌がうまく働かないと、舌をコントロールできずに「しゃ」や「た」になってしまうことがあります。
歯科医院でできること
当院では、月に一回の口腔機能トレーニングを行っています。トレーニングでは、舌の正しい使い方を意識しながら、発音を練習していきます。例えば、舌をしっかり持ち上げる運動や、ストローを使った息のコントロール練習など、遊び感覚でできるトレーニングを取り入れています。
こうしたトレーニングを続けていくと、少しずつ発音がはっきりしてきます。「最初は『しぇんしぇい』だったのに、最近は『せんせい』と言えるようになった!」という変化を、お子さん自身も実感できるようになります。
ご家庭でできる簡単トレーニング
日常生活の中でも、発音の練習を取り入れることができます。
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舌を動かす遊び:「いー」と口を横に広げたり、「あー」と大きく開けることで、舌や口の周りの筋肉を鍛えます。
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ストローや風船を使ったトレーニング:ストローでジュースを飲んだり、風船を膨らませたりすることで、口の筋力や息のコントロールを鍛えます。
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鏡を見ながら発音練習:「さ・し・す・せ・そ」をゆっくり発音して、舌の動きを確認してみましょう。
まとめ
発音のクセは成長とともに自然に改善することもありますが、舌や口の機能が十分に発達していないと、大人になっても苦手な音が残ることもあります。もし、お子さんの発音が気になったら、一度歯科医院での口腔機能トレーニングを試してみませんか?少しずつ練習を積み重ねることで、お子さんの話し方がどんどんクリアになっていきますよ。