
今お使いの入れ歯をデジタルで再現する「コピーデンチャー」
「長年使ってきた入れ歯と、できるだけ同じ形のものが欲しい」「万一の紛失や破損に備えて、予備の入れ歯を作っておきたい」。そのようなご希望に応える方法の一つが、コピーデンチャーです。
コピーデンチャーとは、現在お使いの入れ歯の形や噛み合わせなどを複製し、新しい入れ歯を製作する方法です。極端にいえば、入れ歯を30分ほどお預かりできれば、口腔内を直接スキャンしなくても、入れ歯の形を3Dデータとして取り込むことができます。
ただし、お口の状態や入れ歯の摩耗、使用する材料などが異なるため、まったく同一のものができるわけではありません。当院では、お口の中を診察したうえで試適と調整を行い、より使いやすい入れ歯に仕上げていきます。
コピーデンチャーは、デジタル技工と非常に相性のよい治療です。まず、現在の入れ歯をスキャナーで読み取り、3Dデータにします。そのデータをもとに試適用の仮歯を製作し、一度お口の中に装着して、形や噛み合わせ、装着感を確認します。問題点を修正した後、3Dプリンターで新しい入れ歯を製作し、研磨や噛み合わせの調整を行って完成です。
実際に何症例か経験して感じるのは、デジタル化によって、材料の変形や工程中のずれといった誤差を減らせることです。
従来の入れ歯作りでは、型取り材、石膏、噛み合わせを記録するワックスやシリコンなど、さまざまな材料を使用します。さらに、模型を咬合器に装着するときのずれや、入れ歯を形作るレジンの「重合収縮」も避けられません。それぞれはわずかな変化でも、工程を重ねることで誤差が生じる可能性があります。
学生時代、歯科理工学で重合収縮について学びましたが、その影響を本当の意味で実感できたのは、デジタルで製作した入れ歯に触れてからでした。インスタの動画では、完成した入れ歯が模型にあまりにもぴったり合い、簡単には外れない様子をご覧いただけます。思わず「まじか」と驚いた場面です。
一方で、精密に合いすぎるため、使い始めに痛みや圧迫感が出ることもあります。完成後の調整は必要ですので、決して「コピーして終わり」ではありません。
なお、現在の入れ歯を複製するコピーデンチャーは健康保険の対象外となり、自費診療です。適応条件や治療の流れ、費用については、コピーデンチャーの詳しいご案内をご覧ください。まずは、現在お使いの入れ歯をお持ちいただき、お気軽にご相談ください。







